微量元素とは
栄養学では、人体を構成する元素のなかで、酸素、炭素、水素、窒素の4つを除いた他の元素をミネラルと呼び、さらにそのなかでも極めて少量しか存在しないものを微量元素と呼びます。
微量元素の種類
日本人の食事摂取基準2015年版で示されているのは鉄、亜鉛、銅、クロム、モリブデン、マンガン、セレン、ヨウ素の8種類です。
微量元素の吸収と働き
モリブデン
モリブデンは肝臓や腎臓、皮膚などに存在していて、たんぱく質や鉄の代謝に関与しています。
マンガン
マンガンは成人体内に約10mgしか含まれていませんが、肝臓、膵臓、腎臓、毛髪などに存在しています。骨の発育に重要なミネラルであるほか、糖脂質代謝、運動機能、皮膚代謝などの多くの酵素反応に関与しています。
セレン
セレンは肝臓や腎臓に含まれ、抗酸化作用で組織細胞の酸化を防いでいます。主に、胃、下垂体、肝臓に含まれています。
ヨウ素
ヨウ素は成人の生体内に約10mg含まれ、甲状腺ホルモン(トリヨードチロニン、チロキシン)の主成分です。甲状腺ホルモンのおもな生理作用は基礎代謝の促進であり、たんぱく質合成の促進や脂質代謝にも関与しています。また、成長ホルモンなどと関連し、成長を促進します。
クロム
クロムはすべての細胞に含まれ、炭水化物や脂質の代謝を助ける重要なミネラルです。糖尿病、高脂血症、動脈硬化などの、生活習慣病予防に効果があると期待されています。
ラベル:微量元素